青木クリニックでの不思議な体験

疑い半分期待半分の心で、母と弟(後学の為だからと無理矢理連行)と車に乗って遥か彼方静岡の富士宮へと向かう。

 

母は私の友達からの話を聞くや否や

「その人は本物の超能力者かもしれない」(母は此れ迄の人生、そういった不思議な力を持つ人に助けてもらった経験が少なくないのです)と目が鋭くなり、私は「だとしたら最高に面白いな」と病気の事もすっかり忘れてウキウキ遠足気分。

 

富士山がドンドン眼前に近づいてくる様に抑えきれない興奮で胸をはち切らせながら、無事青木クリニックに到着。

 

富士山が真後ろに君臨し、緑豊かな場所にホゥっと息を呑みながらいざ出陣。

木の温もりが心地よい病院内では「携帯の電源をオフにしてください!」との張り紙と、沢山の自然派の商品、知られていないだけで日常に潜んでいる危険についての本などがズラリ。携帯電話をオフにして、家族3人黙々と資料の読解と病院の様の見物に勤しむ。牛乳の危険性、テレビの害悪性、肉の危険性、砂糖の中毒性、電磁波の影響。等々、知ったつもりで知らない事も多く、とても有意義な時間を過ごす事が出来た。

 

1時間ほどして別室に通され、栄養士の方からの問診と指導が入る。

牛乳の危険性。サラダに潜む寄生虫(電子レンジで600w 5秒すべき)ケーキ症候群。

日本人が牛乳を飲み始めたのは、戦後まもなくの事。それまでは牛乳を飲む習慣すらなかったので、乳糖不耐性の日本人が8割~9割を占めるらしい。そんな中でも無理やり「やれ、カルシウムだ。やれ、完全健康食品だ」と飲まされ、それが根本的な原因となって病気を誘引しているケースが少なくないんだそう。

 

かくいう肺を患っていた友人も「銀歯」と「牛乳」が原因での健康不良だったからなぁ。そもそも「他の動物にとっての乳が当の昔に乳離れしている人間の体に合うという論理自体おかしい」という発想が最も自然なのかもしれないな。

 

私からは

「自家感作性皮膚炎」「首のシコリ」

 

母からは

「視野欠損」「最近頭が悪い」

 

診察室に通され、先ずは一般的な診療室とは全くもって異なる事に気づく。

 

 ずらっと並んだカラフルな魔方陣の様なカードたち。その種類は100種類位あるのだろうか。そして山本哲さんの様な風貌な先生の姿が見えた。

 

大きな窓からは雄大な富士山が顔をのぞかせ、何故だか落ち着けるその環境はどこか異空間に連れていかれそうなそんな感じがした。

 

先生は症状を書いた紙にチラリと目をやった後

「両手の平を広げて出してください。」と言った。先生の右手には、長い黒い棒のようなものが握られており、その棒は黒い箱に繋がっていた。

 

この機械は「0サーチ」と呼ばれているもので、端的に言うと「気の状態を調べる謎の機械」である。仕組みについての説明を見たが、全く理解はできなかった。私の友人もこの0サーチについて言及をしていたが、全国で使用している人は100名程いるにも関わらず、良い評判が上がっているのはゼロサーチの開発者の先生と青木先生くらいだそうである。

 

先生は私の右手の平に「これは、重金属のカードね。」とカラフルなカードを乗せ、黒い棒を頭の上から足先に向かって動かした「重金属は溜まっていないね。」

 

医学の常識からは考えられない事態を目にし、弟は青ざめながら絶句。母は爆笑。という失礼な状況。弟曰く、ヘモグロビン濃度やらも機械で測っていたらしい。採血もしていないのに。

 

私は心のウキウキが抑えられず「次は次は?」と好奇心旺盛。

重金属汚染から、牛乳汚染、電磁波汚染、と次々と異常を確認していく。

そして「寄生虫」のカードが来た時に動きがあった。

「わぁ~体中に寄生虫がうじゃうじゃいるね!小腸には大量。首元のシコリも寄生虫が上がってきてるのが原因だね~~肌の炎症反応も、寄生虫に対してのアレルギー反応だね。」

 

寄生虫

 

誰一人として考えてもみなかった答えに妙に納得がいく。

 

先生が更に病気の原因や詳細をカードによって絞りこんでいく。

デング熱系の寄生虫が蚊を媒介して入ったのが原因。インド原産。との事。

先生は、その後漢方薬を1つずつ私の手に乗せ、また黒い棒をかざして体内の寄生虫に効果があるのか。無いのか。を見ていった。ついでに現在服用している乳酸菌類や高価な椎茸菌糸の漢方薬、皮膚に塗っているステロイド等も見てもらったが、病院処方の乳酸菌以外無意味と言われ、「今までかけてきたコストと労力は一体、、」と多少呆然としながらも診断はズンズンと進んでいった。

 

結果的には、その寄生虫を下す薬とツムラ漢方薬が数種類処方され、加えて寄生虫を退治する為のお守りを配合してくださった。胸骨の部分に接する様につけるように。とのこと。(青木先生は正式に医師免許を持っていらっしゃる先生なので、薬の処方が可能なのです)。診断時間は約30分程。圧倒されながらも、母の診察に移行した。

 

 

母は

「視野が狭まっている」

「頭が悪くなっている」

を病状として訴え、それに対しても先生は私と同じ要領で大分野から小分野へとドンドン原因を絞り込んでいく。

 

重金属が原因と判明したが、先生の表情は深刻そうだった。

「重金属(何の重金属だったかは失念した)が体中の臓器に付着している。これを治すのは、かなり困難を極めるかもしれない。」

 

何でも母の生まれ年は丁度日本全国で歯科技術がガラリと変わり、金属の詰め物を詰めるようになったのだとか。そして、その頃に胎児であった母は、その移り変わりの影響をモロに受け、生まれながらにして重金属が蓄積されている状態だったそう。

 

「左足にもかなり溜まっている。歩き方が昔からおかしいと言われませんでしたか?」

と先生。大きく頷く母。

母の表情からは、私の診察を見ていた時の笑顔はいつしか消えていた。

 

私よりも沢山の種類の漢方薬に加え、煎じ薬、そして私とは異なるお守りが処方された。母はポカンとしながらも、何やら確信めいた顔をしていた。

 

先生はゼロサーチを用いての診療でお金は取らない事を信条としていらっしゃるので、お会計は初診料の1000円とお守り代の1500円、計2500円程度に留まった。これだけ細かにわたる栄養指導、1人1人への時間をかけた入念な診察を考えると良心的過ぎる診察料金だったと思う。

 

帰りの車の中で、母がこれまでにしてきた不思議な体験の話が炸裂した。

弟も、私の病気が治れば自分自身の病気も診断してもらうつもりらしい。

 

効果の程があるかは、まだ分からないにせよ、これだけの面白い経験を出来た事で十分すぎる収穫だったように思う。

 

処方された11日分の漢方薬とお守りを胸に抱きながら、

粛々と、そして確実に日を紡いでいくのみである。